苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
「お疲れ~。ひとまず肩の荷が下りたよね」
志田さんに言われ、こちらも肩に入っていた力を緩める。みんな一仕事を終えてホッとしている様子だ。やるべきことは、すべてやりきった。後は結果を待つのみ。
力が抜けて、温かい飲み物が欲しくなった。給湯室へ向かうと、後藤さんとすれ違う。
「あの……」
プレゼンはどうでした? 一瞬、そう声がけしようとして諦める。こちらへ視線さえよこさず、彼女はどこか確信に満ちた表情を浮かべ、通り過ぎた。この前まではプレゼンの内容にまで関心を示し、不安そうにしていたのに。
手応えがあった、っていうことかな……。
そう思うと、なぜか急に焦り出す。自分の出来栄えも悪くないとは思うけど、ライバルはたくさんいる。今さら考えても、どうにもならないことなのに。
やれることはやったのだから、あとは運を天に任せて、一週間後の結果を待つしかない。
* * *
それから週が明け、社内掲示板にはプレゼンの結果が発表された。参加者の手元には、評価や講評が送られてくる。
商品企画室のCチームでは、その結果を一緒に見守ろうと、志田さんと佐伯さんが頭を寄せ合いながらスマホをスクロールさせていた。