勘違いだらけの契約婚
いきなり昼から夜に変わったような変化だ。普通に考えてあり得ない。
(おかしいわ。今日は晴天だったはず。それに、まだ昼間よね……?)
釈然としないまま、空を見上げて「あっ!」と声を出した。
頭上には不吉なぶ厚い雲が空を覆い尽くし、太陽の光を閉ざしていた。まるで世界を暗黒に塗り替えるように。いつの間にか、周囲には濃霧が立ちこめて視界が不明瞭になっていた。同じ街にいるはずなのに、違う街に迷い込んだような薄気味悪さがある。
ふと霧の奥から、奇妙な叫び声がした。
人でもない。ましてや動物の鳴き声とも違う。もっと禍々しい甲高い声だ。
産声のように鳴く声に呼応するように、どこからか悪臭がする。耳を澄ませると、遠くから、のそのそと歩いてくるのは狼型の魔獣だった。
(守護結界があるのに、どうして街に魔獣が……? 魔除けの効果も結界もくぐり抜けてきたのか、それとも結界内で出現したのかしら。どのみち、状況は芳しくないわね)
ミリアリアが眉を寄せる間に、雷が落ちたような凄まじい咆哮がした。反動で魔獣が四方に散らばっていく。
「な、なに!?」
耳をつんざくような音の方向を探ると、近くにいた男が無造作に空に手を伸ばした。つられるように見上げると、大きな影が蠢いているのが見えた。
(おかしいわ。今日は晴天だったはず。それに、まだ昼間よね……?)
釈然としないまま、空を見上げて「あっ!」と声を出した。
頭上には不吉なぶ厚い雲が空を覆い尽くし、太陽の光を閉ざしていた。まるで世界を暗黒に塗り替えるように。いつの間にか、周囲には濃霧が立ちこめて視界が不明瞭になっていた。同じ街にいるはずなのに、違う街に迷い込んだような薄気味悪さがある。
ふと霧の奥から、奇妙な叫び声がした。
人でもない。ましてや動物の鳴き声とも違う。もっと禍々しい甲高い声だ。
産声のように鳴く声に呼応するように、どこからか悪臭がする。耳を澄ませると、遠くから、のそのそと歩いてくるのは狼型の魔獣だった。
(守護結界があるのに、どうして街に魔獣が……? 魔除けの効果も結界もくぐり抜けてきたのか、それとも結界内で出現したのかしら。どのみち、状況は芳しくないわね)
ミリアリアが眉を寄せる間に、雷が落ちたような凄まじい咆哮がした。反動で魔獣が四方に散らばっていく。
「な、なに!?」
耳をつんざくような音の方向を探ると、近くにいた男が無造作に空に手を伸ばした。つられるように見上げると、大きな影が蠢いているのが見えた。