勘違いだらけの契約婚

13話:契約結婚の真実

 邸に戻ると、すぐに湯浴みをさせられて、天蓋つきベッドに放り込まれた。
 目を据わらせたメイドから「奥様には仮眠が必要です」と言われれば反論はできず、瞼を閉じるとすぐに睡魔が襲ってきた。
 夕食の時間まで爆睡したおかげで、心身ともに疲れが取れたように思う。体調を心配してくれていたメイドも安心した顔つきに戻っていた。
 美味しい夕食を一人きりで食べ終わった頃、ちょうどユージーンが帰宅した。
 すぐに席を立とうとすると、執事が「奥様は食後のハーブティーをゆっくり飲まれてから、執務室にお越しください。その間にユージーン様の身支度を調えますので」と言って食堂を後にした。

(さすが執事さん、手際がいい……。颯爽と消えていったわ)

 キビキビした動きに感心していると、銀の盆を持ったメイドが手際よくお茶の準備をしてくれる。ポットからは、ふわりと甘い香りが運ばれてきた。

「いい香りですね。ブレンドティーでしょうか?」
「はい。お疲れのご様子でしたので、カモミールとレモンバームを合わせてお淹れしました」
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