追想と翼望(ついそうとよくぼう)君がいるから僕の時間が動き出す
 ゆうの話しを聞いて、藍をストーカーしている元カレが、気になって仕方がない。もし藍の身に何かあったらと考えただけで恐ろしい。

藍を守りたいと思うが、四六時中、一緒にいることはできない。追跡アプリを藍のスマホに入れることを考えた。

下手をすると旭がストーカーみたいだが、藍の安全のためだと思った。
朝食を終えて、出勤前の藍をとめて言った。

「ねぇ、大林さん、元カレのこと、ゆうから聞いたけど大丈夫?」
「ああ、大丈夫だと思います」
「もし何かあってからでは遅い。心配なんだ」

旭はスマホを出して追跡アプリのことを説明した。これは岡田がストーカーを辞めるまで、入れてほしいと頼んだ。

「考え過ぎですよ」
「いや、何かあってからでは、取り返しがつかない。シェアハウスのオーナーとしての責任もある」
「心配してくださるのは嬉しいけど、佐藤先生もお忙しいのに。私の事まで気にかけてくださるのは申し訳なくて」
「何もないと考えるのなら、保険的な感覚で」
「そこまで心配してくれるならば、お言葉に甘えて。そのかわり、少しの間だけにしてください」
「分かった」

スマホを渡しアプリを入れてもらった。気にかけてくれる。旭の思いは嬉しかった。でも何もないだろうと楽観的に考えている。

そこまで執着心があるはずがないと思っていたからだ。そんなに執着するくらいの愛情があるのなら、浮気はしないだろうと。
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