恋色ノート
藤沢くんが振り返って私にそう伝えてくれた。
少し命令口調なのに、それは明らかに私を心配してくれてる、気遣ってくれてる言葉。
それに気づけば全然嬉しい。私もちょっとだけ、口が緩む。
「……なに、笑ってんの」
「ううん、なんでも。藤沢くん、この辺詳しいんだね」
「……まあ。生まれてからずっとここで育って来たわけだし」
口数は少ないにしても、やっぱり話しかければちゃんと答えてくれる。
それはきっと、藤沢くんが私を仕事の関係としかみてないからってのが大きいと思うけど。
普通の女の子に話しかけられてもほとんどスルー。それはある意味でもその子が女の子だと認識されてるからで……。
って、自分で考えときながらちょっとぐさっときた。もとよりこの格好で女の子としてみられようなんて思ってないから全然構わないんだけどね。
「つーか、なんでお前はずっと後ろ歩いてるわけ?」
「えっ」
「お前にペース合わせても合わせてもあわねぇんだけど」


