こっちを向いて、ヴェルランド。
ⅩⅩⅢ【カノープスの加護】
「ヴェ…ランド」
「…ヴェルランド」
「ヴェルランド」
何者かの声にはっと目を覚ますとヴェルランドは反射的に上半身を起こした。
「また、居眠り?」
「…リリィ」
「なぁに?」
名前を呼ばれたリリィは嬉しそうに微笑むと、その可愛らしい顔を右に傾ける。
「お前は…、何で」
「あら、私がここにいては変かしら?」
リリィの言葉にヴェルランドは首を傾げる。
「…私は、死んだのか?」
「うーん、厳密にはまだかしら?」
「…では、死ぬのか?」
ヴェルランドの問いかけにリリィは優しく微笑む。
「落ち着いて、ヴェルランド。貴方はまだやる事がある」
「やる事?」
「きっとカノープスの人が教えてくれるわ」
「カノープス…、リーリエ。リーリエは?、彼女は無事なのか?」
するとリリィは少し寂しそうに笑った。
「彼女がどうなるかは、これからの貴方の行動が決める事よ」
「私の行動が…、決める事?」
「えぇ…。まずは目覚めなさい。貴方が貴方の意識を保ったまま。そして決して囚われないで…どうか、貴方のままでいて」
リリィはそう言うと、ヴェルランドの額に優しく口付ける。
さぁ、ヴェルランド、
目覚めなさい。
貴方が本当に守るべき者の為にー。