くわばらくわばら! 私のバディは優しくない
ちなみに、干して乾燥させた桃を使う理由は、季節関係なく年中手に入るから。
あと、乾燥させたほうが香りが強くなる点もいいと思っている。
どうやら霊とか妖怪の類いは、桃の香りも嫌っているみたいなのだ。
とにかく、桃に問題はない。
桃は素晴らしい。
問題があるのは、桃を投げるだけの私のほう。
お父さんは、『とりあえずそれだけでいい』と言っていたけれど、そんなはずがない。
(私なんかとペアを組まされて、蒼麻が可哀想)
私が同行するせいで、任されるのは簡単な仕事ばかり。
私と組んだって退魔師としての成長はない。
(早く解放してあげなくちゃ……)
そうだ!
ペアを解消するついでに、バイト自体も辞めてしまおう。
そうすれば、私だってこれ以上は放課後の約束をドタキャンしなくて済むわけで。
(なあんだ、ウィン・ウィンじゃない)
蒼麻にとっても、私にとってもいいことしかない。
なら、お父さんをがっかりさせたって構わないと思った。
この瞬間、お父さんに話す覚悟を決めた。


