好きです、先輩。別れてください 〜番外編〜
「そっか、ちょっと俺と散歩しない?」
「い、いけど……」
「じゃあ行こ」
少しだけスマホをいじってから、桜庭さんと席を立つ。
先輩、ちょっとだけ桜庭さん借りんね?
2人で向かったのは夕日が眩しい河川敷だった。
「先輩と会えてないんでしょ?」
「うん、忙しいみたいで……。通話したりはしてるんだけど……」
「寂しい?」
「正直言うと、寂しい」
ほら、先輩。
桜庭さんって、先輩の前ではこんな顔しないんじゃない?
不安そうに瞳を揺らしたりだとか。
先輩には見せない顔を見て、嬉しくもなるし───
先輩が好きだからこそなんだろうなって思うと、悔しくもなる。
「猫葉くん、話を聞いてくれたのは嬉しいんだけど……時間的に帰らなきゃ」
「…先輩のこと嫉妬させたいんだよね?」
「え。……うん」
「じゃあちょっとだけ待って」
不思議そうな顔して俺を見上げる桜庭さんを横目に、俺はスマホで時間を確認する。
あんま長い時間連れ回せないしな……。
夕暮れに向かう空に向かって、心の中で誰かに愚痴る。
「猫葉く───」
「あっ、やっとかよ」
「えっ?」