好きです、先輩。別れてください 〜番外編〜
マ○クから出るときに、俺が先輩に少しだけLINEを送った。
いつの間にLINEを交換してたのかは内緒だけど。
《少しだけ借りますね》
《ちなみに河川敷にいるんで》
それだけで、先輩は仕事終わりの疲れた体で走ってきてくれたんだ。
"桜庭さん"なんて、俺はひと言も言ってないのに。
これで違ったらどうしてたんだろう。
「俺は帰るんで、2人で仲よくやってください」
「…猫葉くん、ありがとう!」
「どーいたしまして」
先輩に初めて名前を呼ばれたかもな、なんて思いつつ、まあそんなことはどうでもいっか、とも思う。
とりあえず今は、桜庭さんが幸せならそれでいいから。
星谷先輩、桜庭さんがあんな顔するのは先輩のことだけだろ。
そんなこと言わないけどね。いつか自分で気づくまでは。
《ありがとう》
あのあも、こんな素っ気ないような、なんだかよく分からないお礼のLINEが来たときは流石に笑った。
これが、俺と先輩の関係だろうね。
絶対に友だちとは言わないけど、ただの知り合いよりは近しい関係かなとは認めよう。
星谷 楓茉という人間が、俺は案外嫌いじゃないみたいだから。