ジュリエット・イン・ワンダーランド
放課後の教室を夕日が照らす。少し開いた窓ガラスから、秋の冷たさを少し含んだ風が教室に入り込んできた。カーテンがパタパタと揺らめく。

(大丈夫。大丈夫。今日の星座占い一位だったし、ラッキーアイテムの黄色も身に付けてる!)

髪に飾られた黄色のリボンを撫で、南絆(みなみきずな)は何度も深呼吸を繰り返す。絆の鼓動は早まり、緊張から指先は冷たくなっていた。

「南、話って何?」

教室のドアが開き、一人の男子生徒が入ってくる。この男子は絆と同じクラスで、絆が密かに片想いを長くしていた相手である。今日、絆は勇気を出して告白するのだ。

「ごめんね。急に呼び出して」

「ううん。今日はバイトも部活もないし。で?どしたん?」

心拍数がさらに上がる。絆の顔に熱が集まった。恐怖で手が震えていく。しかし、絆はまっすぐ男子を見つめ、口を開いた。

「私、君のことがずっと好き。私とお付き合いしてください!」

声は震え、最後は真っ赤に染まった顔を下に向けてしまった。数秒、どこか気まずい静寂が流れる。
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop