奴隷に落ちた公爵令息に同情した令嬢は後悔した
 かつては公爵令息だったが、さまざまな罪を犯したため、激怒した陛下によって、官位をはく奪されたものがいた。

 さらに多くの平民にも恨まれていたので、奴隷の身分にまでなったのであった……




 それについて、私の妹であるマーガレットは、



「かわいそうですわ」などと言い出した。


 私は「陛下が決めたことに文句があるので?これは別に陛下に絶対服従しなさいって意味では無く、陛下の考えに異を唱えるだけの何かがあるの?ってことを言ってるのよ」




「そんな気はないわよ、でも陛下がしたことは官位のはく奪だけで、奴隷化は平民共が勝手にしたことでしょう?」




「……言われて見ればそうね」



 ということでマーガレットの言うことも一理あると思っていたら、マーガレットはとんでもないことを言い出したのであった!




「私は、元公爵令息のジョージを買いたいわ!だって彼カッコよかったし!」



 ってことで、お父様である侯爵に、マーガレットはジョージを買うようにねだったのであった……



 お父様は呆れるも、マーガレットにド甘なので、願望をかなえてやるのであった!


 アホらしいと私は呆れたが……




 こうしてボロボロだったジョージがやってきたのだが、開口一番……



「僕は偉大なる公爵家の後継者であるぞ!」


 なんて叫んでいる……


 馬鹿か?もうそういう立場では無いのですが……



 しかしマーガレットは……



「……素敵ね……昔の矜持を忘れていないわ!それでこそ、カッコいいジョージなのよ……」



 なるほど、マーガレットはジョージに憧れていたのね……


 昔は確かにモテたらしいから……!




 マーガレットはかなりジョージの事が好きなことが露呈してきた。


 というかジョージに会ったことでまいってしまったらしい!



 奴隷として購入したはずなのに、馬鹿なことに



「ジョージ様、どうですか?」なんていつのまにか逆転した口調になっている!


 ジョージも


「うむ、そちの世話感謝するぞ!」なんて甘ったるくほざいていて、イチャイチャしだした……


 おかしいでしょ!


 私はあきれ果てていたが、マーガレットがそんな戯けた恋愛でいいのであれば、好きにすればいいと思った。


 お父様にバレたら絶対にガチギレするとは思いますけどね……!


 まぁ私は、恋愛脳なマーガレットの価値観は、一部は分かるんで、人の恋路の邪魔をするなんてことはしたくないですからね!




 マーガレットは私に言いだす。



「ジョージ様って素敵なのよ、私の世話に感謝してくれて、ああ幸せ……」



 はぁ?お前せっかく奴隷として買って来たのに、何自分の主権を手放しているの?



 私はドン引きしていたが、まぁそれが幸せならいいんでしょう、ほら何を幸せに思うなんてその人次第だから……


 私には理解できないけど!



 しかしだ、大問題な言動をあのボケジョージが起こすようになった!




「僕は公爵家の後継者だぞ!そんな僕に指図するなんて許されない!」



「私は指図なんてしていませんわ!」


 とマーガレットは言っているが、



「君ではない!許せないのは陛下とかいう奴だ!この偉い僕に向かって追放だと!?」



「え!?」



 マーガレットすら流石にドン引きしている。



 そらそうだ、たかが公爵家の小僧が、陛下に向かって偉いとか、流石に認知が歪み過ぎてない?



 私達貴族は、陛下の前では下っ端で、さらに陛下から頂いた官位が、イキれる根拠だって忘れたのかしら?


 しかしジョージは続く……



「ということでマーガレット続け!あの逆賊を僕と共に成敗するのだ!」



「そ……それはちょっと……」



 良かった!マーガレットがまっとうな感覚を持っていて!


 私は安心した、身内から本物の馬鹿な国賊が出なくて……!


 そして確信した、こう言う認知が歪んだ男だったからこそ、陛下もブチ切れて官位をはく奪されたのだなと……!




「何だと!?この僕の命令に従えないのか?僕を愛しているのでは無かったのか?」



「……いやいつから私は貴方の奴隷になったのでしょうか?」



 マーガレットが正気になった!




「黙れ!僕への愛が足らない馬鹿女め!」



「何が愛よ!私に一緒に死ねって言うの?こんなの愛なわけ無いでしょう!」



 こうしてマーガレットにすら追放されたジョージだが、その後どうなったかは知らない。




 世界を歪めるような馬鹿とは関わってはいけない。


 マーガレットは当然として、私も学習できたのであった……!
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