同じ家なのに君は遠い
遥斗はダイニング側でスマホを見ていた。

会話はない。

でも、不思議と気まずくない。

前までは沈黙が苦手だったのに、今はこの空気が少しだけ心地いい。

シャーペンを動かしていると、ふいに影が近づいた。

「そこ違う」

「え?」

顔を上げる。

遥斗が課題を覗き込んでいた。

距離が近い。

思わず息が止まる。

遥斗は気づいていないみたいに、問題集を指さした。
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