わたし、まだ話してる。
ライブが終わったあと、私たちは駅前のバーに入った。

照明の暗い、小さな店だった。

カウンター席に並んで座る。

ウイスキーの氷が、カランと鳴る。

彼は、合コンの時よりずっと話しやすかった。

落ち着いていて、
無理に盛り上げようとしなくて、
むしろ少し聞き役だった。

私はその静けさに安心した。

その日は、そのまま帰った。

変な空気にもならなかったし、期待させるようなこともなかった。

でも帰り道、少しだけ思った。

“たぶん、また会う気がする”
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