想いはきっと痛くない
なんとかプリントを全部解き終え、放課後になった。


「じゃあ、さようなら」

「うん、また明日ね」


保健室を出て、全部のプリントを抱えて相田先生の元へ行った。


「失礼します。相田先生……」

「お、梓月(しづき)。平気か?」

「はい。これ、今日のプリントです」


先生は、私が呼ぶと配慮して空き教室に移動してくれる。職員室は他の先生が多いから。

相田先生は、若めの男の先生だけどそういう優しいところがあって私は結構好き。


あ、そういえば……。


「先生?」

「ん? なんだ?」

「うちのクラスに「藤堂くん」っていますか?」


相田先生が探してたって言ってたけど、同じクラスかなって勝手に私が思っただけだから、違うかも。


「あぁ、いるぞ。あ、そうか……今日保健室行ったんだったな。アイツ」

「あ、やっぱり」


でも、なんとなく先生の言い方が引っかかった。

少し、困ったように眉を顰めていたから。それに、保健室の下りは少し声が潜められていた。


「何か、あるんですか?」


思わず聞いてしまった。
彼の、あの引き攣ったように見えた笑顔に関係があるのかもしれないって、思ったから。

すると先生は歯切れ悪く、また困ったように言った。


「いや、アイツなー、サボり魔なんだよ」


サボり魔……?
サボり魔ってことは、今日も休養じゃなくて、サボりだったってこと?

え、でも……なら、なんであんな表情?


やっぱり、見間違いだったのかな。

それか、何か……あるのかな。
私、みたいに。


「梓月? 何かあったか?」

「あ、いえ。そうだったんですね」

「あぁ、そういうことだ。多分、今日のもな」


やっぱり少し困ったように、呆れたように先生はそう零した。


そこから、今後の行事や予定の確認をして先生に挨拶してから帰った。

同じクラスなのはわかったけど、やっぱりどうしてもあの彼の表情が見間違いだとは思えなくて……。
どうなのかなぁ。
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