想いはきっと痛くない
「あ、今日もいた」
「へ、わぁっ!? と、藤堂くん」
いつの間に来てたのか、声がして顔をあげると彼は目の前にいた。
びっくりした。
「あれ? 名前知ってんの?」
彼は名前を呼ばれたことに驚いた様子で聞いてくる。
あ、そっか。お互い自己紹介してないんだ。
「あ、ごめん。昨日、先生が……」
そう言うと、彼は納得したように頷く。
「あー、そっか」
「名字、だけだけど……」
そう言うと彼は自己紹介をしてくれた。
「そっか。俺、藤堂怜」
「あ、私梓月澪……です」
「よろしくー」
また、にこりと笑った。今回は、自然に。
……なんか観察してるみたい、かも。
「梓月……って、うちのクラスの?」
そこで彼が私の名前に聞き覚えがあったのか、そう聞いてきた。
知ってたんだ。
「あ、うん。同じクラスみたいだね」
「やっぱ?」
にこって笑ってそう言った後、少し考えるような仕草をした。
そして、机の上に置かれた私のプリントと私を見て、一人納得したように頷いた。
「ん?」
「保健室登校、か……」
「っ! あー……うん。そう、ちょっと、ね」
まさか、そこを突かれるなんて思わなくて変な反応しちゃった。
すると彼は慌てたように顔の前で手を振ってから言った。
「あぁ、ごめん。そういうんじゃなくて!」
そして彼は一呼吸おいてから少し落ち着いて続けた。
「……自分ができる範囲で来てるんだし、よくない?」
……彼の言葉に驚いた。もっと、何か言われるかと思ってたから。
でも、彼はまっすぐな目で、本心で言ってるみたいで。
「そっか。……学校、行きたくないわけじゃ、ないんだけどね」
「……わかる」
少し落ち着いた声で、そう言われた。さっきまでと、また違った雰囲気。
やっぱり、彼は……。
いや、余計な詮索はやめよ。
私だったら、嫌だし。
そんなことを考えてると、また少し明るいトーンで彼が話始めた。
「いつもいるの?」
「え? あ、うん。基本はここ。あとはたまにカウンセリング室とか」
「カウンセリング室……」
彼が小さい声で繰り返した。何か、引っかかったかな?
「うん、体育祭時期とか」
怪我人とか、体調不良者が増えて人の出入りが活発になるから。
ここに常時いる私は目立つから。
すると彼はまた納得したようで頷いた。
「あー、なるほど」
と、ここでチャイムが響いた。休み時間だ。
「あ……」
「ん?」
私が思わず声を出すと、彼がどうしたの?というように首を傾げた。
「先生、戻ってくるかも」
そう言うと彼は驚いたような反応をした。そして少し困ったように笑った。
「サボり魔なの間で筒抜けか。じゃ、またねー」
そう言って、手を振って出てった。
教室、戻るのかな?
いや、ならいなくならないかな、
……私も共犯、かな。
あ、そういえば「またね」って。また、来るのかな。
誰にも、言わない……のかな。
「へ、わぁっ!? と、藤堂くん」
いつの間に来てたのか、声がして顔をあげると彼は目の前にいた。
びっくりした。
「あれ? 名前知ってんの?」
彼は名前を呼ばれたことに驚いた様子で聞いてくる。
あ、そっか。お互い自己紹介してないんだ。
「あ、ごめん。昨日、先生が……」
そう言うと、彼は納得したように頷く。
「あー、そっか」
「名字、だけだけど……」
そう言うと彼は自己紹介をしてくれた。
「そっか。俺、藤堂怜」
「あ、私梓月澪……です」
「よろしくー」
また、にこりと笑った。今回は、自然に。
……なんか観察してるみたい、かも。
「梓月……って、うちのクラスの?」
そこで彼が私の名前に聞き覚えがあったのか、そう聞いてきた。
知ってたんだ。
「あ、うん。同じクラスみたいだね」
「やっぱ?」
にこって笑ってそう言った後、少し考えるような仕草をした。
そして、机の上に置かれた私のプリントと私を見て、一人納得したように頷いた。
「ん?」
「保健室登校、か……」
「っ! あー……うん。そう、ちょっと、ね」
まさか、そこを突かれるなんて思わなくて変な反応しちゃった。
すると彼は慌てたように顔の前で手を振ってから言った。
「あぁ、ごめん。そういうんじゃなくて!」
そして彼は一呼吸おいてから少し落ち着いて続けた。
「……自分ができる範囲で来てるんだし、よくない?」
……彼の言葉に驚いた。もっと、何か言われるかと思ってたから。
でも、彼はまっすぐな目で、本心で言ってるみたいで。
「そっか。……学校、行きたくないわけじゃ、ないんだけどね」
「……わかる」
少し落ち着いた声で、そう言われた。さっきまでと、また違った雰囲気。
やっぱり、彼は……。
いや、余計な詮索はやめよ。
私だったら、嫌だし。
そんなことを考えてると、また少し明るいトーンで彼が話始めた。
「いつもいるの?」
「え? あ、うん。基本はここ。あとはたまにカウンセリング室とか」
「カウンセリング室……」
彼が小さい声で繰り返した。何か、引っかかったかな?
「うん、体育祭時期とか」
怪我人とか、体調不良者が増えて人の出入りが活発になるから。
ここに常時いる私は目立つから。
すると彼はまた納得したようで頷いた。
「あー、なるほど」
と、ここでチャイムが響いた。休み時間だ。
「あ……」
「ん?」
私が思わず声を出すと、彼がどうしたの?というように首を傾げた。
「先生、戻ってくるかも」
そう言うと彼は驚いたような反応をした。そして少し困ったように笑った。
「サボり魔なの間で筒抜けか。じゃ、またねー」
そう言って、手を振って出てった。
教室、戻るのかな?
いや、ならいなくならないかな、
……私も共犯、かな。
あ、そういえば「またね」って。また、来るのかな。
誰にも、言わない……のかな。