図書室のゴーストライター ~放課後の図書室で、私たちは世界を書き換える~
「……これからも二人で、もっとたくさんの物語を届けていこう」
『はい……っ……』
最初は、書いているところを見られて、もう駄目だと思った。
大切に隠してきたこの夢も、趣味も、すべて捨てなきゃいけないんだって絶望した。
だけど、蓮見くん。
君に出会って、私の世界は180度変わった。
あの時、図書室の隅っこにいた私を見つけ出してくれて、本当にありがとう。
溢れる涙を拭いながら、私は心から、そう思った。
――十年後。
月日はあっという間に流れて、私は大人になった。
私はあの日掴んだ夢を離さず、大手の出版会社に所属する作家として、今も物語を書き続けている。
「今日は新刊の表紙を飾ってくださる、イラストレーターさんとの打ち合わせです。最後まで、納得のいく作品に仕上げていきましょう」
打ち合わせスペースの隣で、頼もしく資料をめくる男性が私を見て微笑む。
その柔らかな眼差しは、あの放課後の図書室で私を見つけ出してくれた時から、少しも変わっていない。
そう。彼も、私の編集者として。
【図書室のゴーストライター ~放課後の図書室で、私たちは世界を書き換える~】
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