令嬢ランキング、一位になってみせます!
 周囲には数人の貴族令嬢が居て、まるで私を決して通すまいと言わんばかりの表情で、私を見つめていた。

 今夜がおそらく『品格』の試験の本格的なはじまりであることは、参加者全員が察している。だから、この夜会に遅刻してしまうと、それだけでも点が悪くなってしまうだろうことも。

 そして、私は今、彼女に罠に掛けられたのだと理解した。

 さっきの、ご令嬢……いえ。あの子だけの単独犯ではないかもしれない。だって、現時点で首位の私の点が下がれば、参加者皆に可能性が出て来るのだもの。

「あの、申し訳ございませんが、通してくださる?」

 これは簡単に通してはくれないだろうと悟ったけれど、そう主張しない訳にもいかない。

「まあ、リゼル・フォーセット様! 『知性』の試験、第一位のご令嬢に是非お話をお聞きしたいわ。皆そう思わない?」

「ええ。本当に」

「楽しみだわ。ゆっくりとお聞きしたいわ」

「じっくりと時間をかけてお聞きしたいわ」

 もうすぐ、開会の時間になってしまうだろう。

 彼女たちの要望に応え、大きく遅刻してしまえば、それだけ点は悪くなってしまう。

< 101 / 194 >

この作品をシェア

pagetop