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 確かに王族のお忍びだと言うのに、彼が危険な目に遭っていても、誰一人として護衛は出てこなかった。

 けれども、それはそれでも問題ないからなのだろう。レヴィンへの攻撃は目に見えぬ力で阻まれ、怪我ひとつ負わなかったのだから。

「そうそう。俺に加護を与えたのは『風神』で、風獣が周囲に常に居るんだ。望む望まないに関わらず、子にも引き継がれるようだから、大変だよね。そういう訳で、俺もまだ婚約者が決まらないんだ」

 レヴィンは物憂げにそう言ったので、私はシャーリー様のことを思い出した。

 シャーリー様は私がレヴィンと知り合いだとわかった程度で、あれほど敵意を剥き出しにするほどにレヴィンのことを好きなのだ。

 だとしたら、神に伴侶として認められるための試練が、何であったとしても、彼が好きだからと耐えられるのではないだろうか。

「シャーリー・ブロア伯爵令嬢は、レヴィンのことを、とても好ましく思って居るようですけれど……」

 私の言葉を聞いた途端に、レヴィンは目に見えて嫌な表情になった。

「やめてくれ……うんざりだよ。あの金切り声で追い回される、こっちの身にもなってくれ……」

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