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29 夢

 私が目を覚ますと、朝日を浴びた窓に白いイタチが見えた。

「……シルヴァン?」

 それは、常にエドワードの傍に居るという神の使い雷獣だった。

「おはよう。リゼル」

「……おはよう」

 雷獣は特別な神の使いだとわかっていても、やはり、白いイタチが人の言葉を話すなんて不思議な気持ちになった。

「昨日は、頑張っていて凄かったね。僕もエドワードと一緒に居て、ずっと見ていたよ」

「そうなの?」

 実はエドワードは馬車で城まで送ってくれただけで自分は仕事があるからと、審査の時も会わなかったのだ。

「……君の気が散らないように、隠れて見ていたんだよ。変な緊張を招いてしまってもいけないだろう?」

 それは確かに、そうなのかもしれない。エドワードは自分は見に行けないからと私に嘘をついて、彼に見られているかもしれないという緊張を与えることなく頑張っていた姿を見守ってくれていたのだ。

「エドワードは、優しいのよね」

 ぽつりと呟いた私の言葉に、シルヴァンは可愛らしい耳を動かした。中身は大人らしい言葉を話す神の使いなのに、とっても可愛らしい仕草に思わず微笑んだ。

「昨日は遅くまで起きていたから、今日は休みだし、遅くまで眠るだろうと思うよ」

 ベッド近くまで近付いて来たシルヴァンは、髭を動かしながらそう答えた。

 昨日の祝祭は新年にほど近い週末に行われるので、今日は休日だった。年に一度の盛大なお祭りだし、きっと

「ああ……祝祭だから、誰かとお酒でも、飲んでいたのかしら」

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