令嬢ランキング、一位になってみせます!
「何か、妙な術を使いやがった! おかしい。さっさと逃げるぞ!」
危ない稼業を営む彼らは不慮の事態が起きた逃げ時を間違わないのか、全員が事前に示し合わせたかのように、同じ方向に逃げていった。
そこにポツンと取り残されたのは、白猫の仮面を被る背の高い男性と私の二人。
怪しい白猫の仮面を見て、ほんの少しだけ、私も一緒に走り出せば良かったかもしれないと思ってしまった。
「あっ……ありがとうございます?」
すっごくすっごく怪しい男性だけど、助けてくれたのは間違いないので、私はお礼を言ってスカートを摘まんだ。
「良いよ良いよ。何もしていない。あいつらが勝手に逃げていっただけ。それに、俺もここは、通り道だったからね。君は誰? ここから、どこに行くの?」
軽い口調で仮面の男はそう言い、助けて貰った事は確かだけど、この見るからに怪しい人に行き先を明かして良いものかわからなくて、暫し悩んでしまった。