令嬢ランキング、一位になってみせます!
「そうね。すごく……気に入ったわ。このまま着ていこうかしら」

 胸に手を当てて確認すれば、ドレスはまるで誂えたかのようにピッタリなサイズで、本来ならば顧客から注文を受けて作成する受注生産(オーダーメイド)が基本のメゾンのせいか、価格だって驚くほどに安い。

 これはまるで私に買えと、用意されたかのような偶然だった。

「ええ! ええ。本当にお似合いですわ。リゼル様。少々お待ちください。色味を揃えて、帽子と靴もお出ししますわ」

 鏡でもう一度自分の姿を確認すれば、ため息が出てしまうくらいに大人っぽくて、上品なデザインのドレスだった。

 色味はくすんで落ち着いているけれど、薄く光沢があって高価な生地。それに、まるで小さな花を添えるように飾られた真っ白なレース。

 ……そうよ。今をときめくあのアイリーン様が、好んで着られるようなドレス……流行を作る社交界の華が着るドレスに似ているのなら、これは間違いないもののはずだわ。

 私が向ける彼女に対する個人的な事情なんて、気にしている場合でもない。

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