冷酷夫からの離婚宣告を受けたので、次は愛してくれる夫を探そうと思います。
 開き直って私がそう言うと、ジャレッド様は気に入らない顔をして黙り込んだ。

 ええ。貴方が手切れ金代わりにもくれなかった、あの別荘ですよ! 私はとても気に入っているんです!

「……では、僕も共に泊まろう。それで良いだろう? 主催者に挨拶は済ませたのか?」

「え? ええ。それは構いませんわ。挨拶は早々に済ませました」

「……そうか、僕はまだだから、少しここで待って居てくれ」

 爵位は上とは言え、夜会の主催者へ挨拶をしない訳にはいかない。ジャレッド様はいそいそと進み、私は手持ち無沙汰になりその場に留まった。

 ……しかし、離婚間近とは言え、現夫の前で再婚相手を吟味するわけにもいかない。それが出来る人も居るかもしれないけれど、私には無理なだけだわ。

 ……一体、何なの? 三ヶ月後に、別れると言ったくせに。それも一年間もほったらかしだった癖に。

 夫の考えが読めず私はイライラとしながら何杯かワインを呷り、そこを止めるような手が現れた。

 ジャレッド様だ。こうして見ると、私の夫は本当に姿が良い。素敵な男性だ。完璧と言って良い。

 ……妻の私に冷たいことを除いては。

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