冷酷夫からの離婚宣告を受けたので、次は愛してくれる夫を探そうと思います。
 確かに私は離婚宣告を受けたとは言え、ジャレッド様の邸に住み、彼のお金で生活をしている。ちなみにこのドレスも彼のお金で作った。

 結婚時には父に持たされた持参金があったとしても、それは、離婚時には返して貰うことになる。ジャレッド様の言い分は、もっともだった。

「そうですね。私が一人で夜会に来るのは、とても珍しいですわね」

 彼の言う通りなので、それには、一応同意しておいた。ジャレッド様の望んだ答えではなかったせいか、彼はよりムッとした表情になっていた。

 ……何が言いたいのかしら。まったく考えが読めずに、私は戸惑った。

「今夜はどうするつもりだ? 別に宿泊してくると言ったらしいが」

 ああ……そうだった。会場が遠方であったので、私はお気に入りの別荘に泊まることにしたのだ。

 離婚してしまえば、二度と宿泊することもないのだから、最後の別れにと思っただけだった。

「今夜は、別荘へと泊まろうかと……ええ。離婚の時にいただけなかったあの別荘ですわ。私が、あの別荘を気に入っていることは、ジャレッド様もご存じなのでは?」

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