冷酷夫からの離婚宣告を受けたので、次は愛してくれる夫を探そうと思います。
 ジャレッド様がまだ気の良いお喋りな男性であれば、私だってこんなにも気詰まりすることはなかった。

 そして、この王国一番の財産を持つと言われるマクティア侯爵家当主でありながら、別れる妻に別荘もくれないなんて……私がいま居る状況を知っていながら、とんでもなくケチ男だわ。

 あんな冷たい夫、すぐに別れたいくらいだわ! もう本当に腹が立つ~!

 廊下をイライラしながら歩き私は自室へと帰り、のほほんとその場に立っていた護衛騎士のダニエルと話をすることにした。

「……はあ!? 離婚?!」

「ええ。そうよ。三ヶ月後ですって」

 離婚宣告された事情を説明した私に護衛騎士を務めている兄ダニエル・ハルソールは、非常に驚いているようで目も口も大きく見開いていた。

 何故、元クインシー公爵令嬢たる私の兄が、護衛騎士をしているか……という理由なのだけど、それを説明するには、私の亡き父と亡き母のなれそめを説明する必要がある。

 私の父は妻に先立たれた先のクインシー公爵、そんな彼に見初められた母は流れ者の踊り子だった。父は偶然見掛けた母に一目惚れをして、大反対を押し切り後妻に迎えることとなった。
< 3 / 23 >

この作品をシェア

pagetop