冷酷夫からの離婚宣告を受けたので、次は愛してくれる夫を探そうと思います。

 ダニエルは頭をかきながらそう言った。私だって彼と同じくそう思う。

 ジャレッド様は私に常に冷酷な態度をとり続けていたけれど、私が彼が求めるような完璧な女性ではなかったことがそもそもの原因なのだ。

「そうね……むしろ、嫌なのに結婚して一年間もここに置いてくれて、離婚するにも三ヶ月の猶予をくれると言ってくれたのだから、それは感謝するべきなのかしらね」

 私は美麗な容姿を持つジャレッド様と婚約したと聞いて、素直に嬉しかった。絵本の王子様そっくりの彼は5つ年上で、近い将来マクティア侯爵になることは決まっていた。

 けれど、それは自分の命が少ないと悟った父が、遅く出来た娘の私を守るために強引に纏めた縁談であることは周知の事実であった。

 結婚式前になかなか会えなくても、私は一縷の希望を持っていた。きっと、近い距離で私を見てくれればわかってくれる。きっと……わかろうとしてくださると。

 そんな甘い期待は容易に打ち砕かれてしまった。

 結婚式後に初夜に寝室に現れずに冷酷な対応を続けるジャレッドを見て、やはり半分しか貴族ではない私のことがとても気に入らないのだと悟った。

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