冷酷夫からの離婚宣告を受けたので、次は愛してくれる夫を探そうと思います。
「踊り子の娘の……私なんかが、貴族の当主に愛されるなんて、やはりあり得ない未来を期待する方が馬鹿だったのよ」

 はあっと大きくため息をつき、兄は私の隣に座り、優しく頭を撫でた。

「……クラウディア。そんな事を冗談でも言うな。お前は色は違えど母さん譲りのその美しい顔があるじゃないか。白い結婚での離婚ならば、大した瑕疵だと思わない貴族だって居るだろう。あんな分からず屋の侯爵よりも、もっと良い男を捕まえろ」

 ダニエルの励まし言葉は、もっともだ。お母様だって、この顔を使って年老いたと言えど、公爵を射止めたわけだし……。

「……そうするわ。兄さん」

 私はさっさと立ち直ろうと思った。その方が時間の無駄にならない。

 いまさらだけど、私はジャレッドのことが好きだった。お伽噺に出て来るような彼を初めて見た時に、私を救ってくれるのはこの人なのだろうと直感したからだ。

 けれどそれは、大きな間違いだった。

 結婚してからのジャレッド様の冷たい振るまいには、それだけ傷ついたし悲しんだ。

 ……さようなら。私を救ってくれるはずの……憧れの王子様。


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