妹を監禁するはずの悪役から、なぜか溺愛執着されています
プロローグ
 ――どうしてこうなったのだろう。

 きらめく金の髪は柔らかな陽光をまとっているようだ。澄み渡る空をそのまま閉じ込めたみたいな、青色の瞳。

 群衆の中にいても、ひときわ目を惹く姿は堂々としている。

 そのたたずまいは、まるで幻想の世界から抜け出したように気高く、皆を魅了していた。

「リゼット、俺のこと覚えている? 俺は忘れたことなんて、なかった」

 不意にエディアルドは腰を折り、私の耳元でそっとささやいた。

「ずっと会いたかった」

 腰に回された腕にギュッと力が入り、その瞬間、私は息をのんだ。

 記憶の中の、無邪気に笑う少女はもういない。そこにいたのは、誰もが振り返るほどの端正な顔立ちの凛々しい青年だった。

「絶対にもう、離さない」

 耳元で聞こえた情熱を含んだ言葉に、心臓の鼓動がはねた。
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