恋は身近なところに 〜モテ男子の一途な溺愛〜

全ての授業が終わり、放課後になる。

今日は実行委員の集まりがあるから、海くんと一緒に多目的室に向かった。


「海〜!ちょっと来てくんね〜?」


廊下の曲がり角に差し掛かったとき、海くんの名前が呼ばれた。

「ごめん華恋、ちょっとだけ待っててもらってもいい?」


「分かった!」


「ありがと」


男の子のとこに行った海くんを見送って、曲がり角を曲がろうとした時だった。


――ドンッ!


「わっ……!」


反対から人が出てきて、勢いよくぶつかった。


サッと手を後ろについて足で地面を蹴る。


こ、転ぶところだった……!

咄嗟に受け身をとったから怪我はしなくて済んだみたいだ。


「うわっ……!まじでごめん、怪我、ない?」


顔をあげると、相手の人の心配そうな顔が映った。


わ……綺麗な人だっ……。

メッシュが入ったストレートな髪の毛。アクセントに茶色い瞳が映えている。

顔も整っていて、イケメンという部類に入る人だな、と直感で思った。

なんていうんだろう、海くんとは違うタイプのイケメンだっ……。

海くんが太陽なら、彼は月って感じがした。


って、分析してる場合じゃなかった……!


「はい、私は平気です!貴方こそ怪我は……」


「俺は平気。部活で急いでて……まじで悪かった」


謝ることないのにっ……!

むしろ私の不注意のせいだ。


「あの、謝らないでくださいっ……私にも原因があったので……!」


笑顔でそういえば、彼は目を見開いた。


「――ふっ……ありがとな。……あんた、名前は?」

えっ……な、名前……?

どうしてだろうと思ったけど、とくに隠すことでもないので口を開いた。


「音乃華恋です」


「……華恋、ね」

復唱するように呟いた彼は、もう一度ふっと微笑んだ。


「俺は佐賀宮煌。煌って呼んで。――それじゃ」


「へっ……あっ、はい!」


去っていった彼……煌くんをぼーっと眺めた。


笑い方、綺麗だなぁ……。

顔立ちがクールな印象だからか、笑うと年相応の男の子に見える。
< 17 / 20 >

この作品をシェア

pagetop