白紙のノートに、君だけが残した筆圧のメッセージ

起:プロローグ エーヨコ広場


 ねえ、物語の続き、また始めてみない? 場所は、ここから……
 誰かが、そうつぶやいた。でも、誰だっけ?

 なにかすごく大切な夢を見ていたんだけど、朝、目が覚めたら思い出せない……そんな経験、ないかな?
 もっと言えば、布団の中で、なにかを思い出そうとしている、今の私、この場所こそ夢で、ほんとうの自分は、さっきの夢の中にいたんだって……大切な誰かと一緒に……そんな経験、ないかな?
 この春、中学二年に進級してから、こんなモヤモヤな朝を迎えることが多くなった気がする。高一のアニキに、わりと真面目にそのことを話すと『中二病、発症!』とニタニタ笑いながら茶化す。そんなんじゃない!……たぶん。

 そして、ゴールデンウィーク明けの最初の土曜日。別のモヤモヤな夢を見た。誰か……女の子が呼んでいる。物語の続きを始めようって。笑っていたような気がするし、泣いていたような気もする。

 このことをアニキに話したら今度は『五月病、発症!」と言うに決まっているので、黙って出かけることにした。

 自宅の京王多摩センターから新宿へ。
 その場所は、新宿歌舞伎町の映画館の隣の広場、エー横。
 誰かが救いを求めている。そこで、なにかが起きているって。『私が』解決しなければならない、なにかが。だから、そこに行かなくちゃいけない。
 どこから来るんだろう、この渇望のような、義務感のような気持ちは。
 ここ最近、予感というか兆候みたいなものも感じていた。学校のグループラインに。YoutubeやTikTokに。ゴールデンウィークの長い休みが開けてから、投稿されているものに『なんかヤバい気配』を感じる……うすら寒さ。特に私が応援している中学生VTuber、ノアールちゃんのチャンネルの雰囲気がおかしい。書き込まれるコメントから、わかるかわからないかという程度だけど、微妙に悪意が感じられる。私がなりたい職業、第二位としているVTuberで、しかもリアル女子中学生でもう立派に仕事しているノアールちゃんのことを尊敬しているので、余計に心配だ。彼女のアバター、超可愛いし、中学生の流行りや知りたいことをていねいに取材してレポしてくれるし、名前も私(ノア)と似ているし。
 えーっと、それと『エー横』に行きたい気持ち、なんか関係あるの?と聞かれてもよくわからない。ただ、なにかがつながっている。誰かがつなげている。
 こんな状況で歌舞伎町に行くのに、どんなコーデがいいのか迷う自分がいたりする。ゴールデンウィーク中も親は仕事で忙しく、私もほとんど家のまわりをウロウロしていただけだったので、そのストレスもあり、ちょっとお出かけぽい服装にした。だる目のグレーのスエットにブルーのチェックシャツ、同系色のショートパンツを合わせる。 髪はハーフアップにし、『ビオトープのイヤーカフ』を耳に着けた。片方は銀色のトンボ。もう一方の耳につけるのは、銀色の雫。その形は涙のようにも見える。ちょっと子供っぽいけど、オシャレとお守り、両方の意味あいを込めて、久々に着けてみた。



 工事中の新宿駅の通路は狭くてわかりにくく、人の流れに巻き込まれたりぶつかったりしながら、東口に出る。
 中学に入ったころ、クラスメイトとルミネ・エストまで買い物に出かけたことがあったけど、そのときと変わらず、この辺を歩いたり待ち合わせしている人々は、私のような若者、家族連れ、そして外国人と多種多様だ。『歌舞伎町という恐いゾーン』の入り口だから気をつけなさいと親から言われたけど、いざ行ってみると、なんだ、意外と明るく楽しそうな雰囲気じゃないのって思った記憶がある。
 でも、一年ぶりに訪れたそこは、ちょっと少し違う空気、ザワザワした空気を感じた。

 人混みに紛れ、大通りを二本渡り、「歌舞伎町一番街」と描かれた門をくぐる。立ち並ぶ街灯には『I♥歌舞伎町』という旗が飾ってあり、へえ、ここってそういう街なんだと少し緊張の糸がゆるみかけた。
 肉や魚を焼いている匂い、甘い焼き菓子の匂い、なぜかシャンプーのような匂い、そして側溝から漂うドブ臭さ。色んな国の言葉と、お店の宣伝の音楽。やっぱりこの町は、なにもかもがごちゃごちゃだ。

 奥に進むと大きな建物が見えてきた。屋上には怪獣の巨大な頭が私を見下ろしている。壁面には大きなビジョンがあり、上映している映画のコマーシャルのセリフや音楽がズーン、ズーンと響く。

 右に曲がると、大きな広場が見えてきた。ここが今日、私の目的地、シネシティ広場、通称『エー横』だ。
 ニュースでよく取り上げられていた場所なので、そこには大勢の『エー横キッズ』が待ち合わせをしたり、しゃがみ込んでいたり……そういう景色を想像して身構えていたけど、だいぶ違った。その広場はブルーのフェンスに囲まれ、中には誰もいない。フェンスの周りに人がいるにはいたけど、まばらだ。警備員が何人もいて、立ち止まっていると注意されそうだ。
 「こんなところでウロウロしてたら私、補導されんじゃない?」と少しドキドキしながらフェンスをぐるりと回ってみることにした。一周して、なにも起きなかったら、さっさと退散してルミネでお小遣いを奮発して服でも買って帰ろう。

 その広場の向こうにもう一つ、大きな建物があった。スマホで調べたら歌舞伎町タワーというらしい。その中にも映画館があるようで、やっぱり壁に超大型のビジョンがどーんとくっついていて、映画の予告編を流していた。

 肩すかしを食らった気分になって、ガランとした広場のフェンス沿いを歩く。『エーヨコに来れば、モヤモヤが解ける』それはただの空騒ぎ、思い込みだったのか。誰に呼ばれたわけでもなかったんだ。

「まだ書きかけの物語を奏でよう!」

 その声は、歌舞伎町タワーの特大ビジョンから響いた。驚いて画面を見る。見覚えのある、アニメのオープニング映像と音楽!

 ……なんで? どうして今ごろ? こんなところで? 

 「二人ぼっちの戦士 エトワとエクリ」

 私が小学校五年のときにテレビで放映されていた、戦うヒロインもののアニメだ。みんな、覚えてるかな? ……そうか、やっぱ覚えてないか。
 ……そうだよね、だってそのアニメ、最終回目前で突然打ち切りになっちゃったんだもん。当時は「いったいなにがあった? 打ち切りの真相は?」とネット上でも話題になってたみたいだけど……なぜか、みんなこのアニメの存在を忘れてしまっている。誰に聞いても「そんなアニメ、あったっけ?」「あー、あったかもね」くらいの反応だ。
 実は今日私が着けている『ビオトープのイヤーカフ』は、二人の少女、『エトワとエクリ』が戦士に変身したときに着けていたもので、アニメの放映開始とともに販売されたキャラクターグッズだ。そこそこ人気があったグッズだったけど、私以外に着けている子を見たことがない。でも割と大人っぽいデザインだから、今でもこうやってお出かけのときにたまに着けたりしている。
 私、幼稚園以来の戦う少女のアニメファンで、一時期、『私が将来なりたいもの第一位』として公言はばからず、真面目に戦士になれるもんだって思っていた。戦うヒロインものは、シリーズを重ねるごとにチームの人数が多くなっていったんだけど、このアニメのヒロインはエトワとエクリ――正式には、プリズム・エトワールとシャドウ・エクリプス――の二人だけ……だが、それがいい! シスターフッドって言うんだっけ?女の子同士の友情というかそれ以上の感情に萌え、キュンキュンしながらテレビを観ていた。それだけにアニキから「へー、『エトエク』、打ち切りだってよー」って聞いたときは残念で、その情報を提供してくれたヤツに八つ当たりしたものだ。だいたい『エトエク』なんて略してたの、アニキくらいだし。

 あ、長い回想に入っちゃったけど、特大ビジョンから『二人ぼっちの戦士 エトワとエクリ』の映像が流れているのがすごく不思議だ。
 まさか、打ち切りになっちゃったのに劇場版でもやるの?……それならそれで嬉しいけど。でも、画面に流れている映像は、テレビで一回観たことがあるシーンだ。

 顔を上げ、大画面を呆然と眺めていた、そのとき。

 ピキン ピキン

銀色トンボと涙のイヤーカフが熱くなり、音を発した!?
……これは確か、アニメの中では、二人のヒロインに敵が接近したときの警告音だ?

 そして、ブルーのフェンスに囲われた、人がいないはずの広場の中から大勢の女の子の声が聞こえた。

 まじ?

  もう許して欲しい。

 信じてたのに。
 最低!

    ハブにしよう。

 結局あんたもあっち側なんだ。

   空気読んでよ。

 あなたには関係ないから。

   もういいよ、そう言うの。

 へえ、全部ウソだったんだ。

 マジでないわー。
  
   ブロックしよう。

 正直ウザいんだけど。

 ……頭を抱えて背を丸め、立っているのがやっとだった。
 誰もいないはずなのに、大勢の人の気配を感じ、背筋が寒くなる。
 いったいなんなの?

「ひさしぶりね」  

 私のすぐ後ろで声がした。
 私は反射的に身をかがめ、振り向く。
 手は自然に戦闘の構えをとっている。
 ……なんだこのポーズは?

 そこに立っていたのは、一人の女の子。

 私と同い年ぐらいだろうか?
 髪は真っ直ぐな黒髪のセミロング。
 顔立ちは整っているが、特徴をつかみにくい。
 黒のカーディガンにグレーのTシャツ。それを黒いひざ上のスカートに、やはり黒のニーハイソックス。

 どこかで会ったことがあるのだろうか……いや、その顔に覚えがない。
 彼女の声を聞いて、私の心のどこかで危険信号が鳴っている。一方で、その声をもっと聞きたいと思っている自分もいる。
「あ、あなたは?」

「やっぱり覚えてないのね」
 彼女は少し寂しそうにうつむき、そうつぶやいた。

「ねえ、物語の続き、また始めてみない?」

 女の子の言葉にイヤーカフが再び反応した。熱を帯び、警告音がさっきよりも強く響いた。それと同時に広場のざわめきも大きくなった。

「そ、その言葉……あなたが私を呼んだの?」
 黒髪の子は微笑み、コクンとうなずく。
「そう。それに、これはあなたが得意だったセリフよ」
「な、なに言ってるの?」

「改めて、自己紹介する……わたしは、中野 結衣」
「ナカノ……ユイ?」
 やっぱりこの子、知らない、わからない。
 でも、なんだろう? 懐かしいというか厄介というか、複雑な気持ち。

「ねえ、これは……この声はなんなの?」
 私は広場を見回しながら彼女に尋ねる。
「知ってるくせに」
「え?」
「このざわめきは、かつてここに集まった女子たちの声、裏切り、裏切られ、憎み、憎まれ、絶望し、途方に暮れた子たちの」
「それと、私を呼んだことに、なにか関係があるの?」
 フフっと彼女は笑う。
「あなた、そういうの放っておけない性格よね?」
「……どういうこと?」
 彼女は広場を見つめるだけで私の質問には答えなかった。

「ねえ、せっかくだから、歌舞伎町の中をちょっとお散歩しない?」
「……い、いや……別にいいよ」

 彼女は私の返事は聞こえなかったかのように、小指を上にして右手を伸ばし、私の左手を取った。なぜかそれに逆らうことができなかった。その手の感触は柔らかく、ひんやりとしている。私の手の熱が吸い取られているようだ。
 彼女はゆっくり歩き出した。私も釣られて歩く。広場のざわめきは収まり、さっきまで賑やかだった行き交う人々の話し声、お店のBGMが消え、雑多な匂いまでも消えてしまったような気がする。

 彼女に手を引かれて、繁華街の中をゆっくりと進む。

 通り沿いに立っている男の人たちがジロジロとこっちを見ている。
「君たち、こんなところでなんか探してるの? こっちも二人だしさー、いっしょに遊ばない? あそこにいい店あるんだけど」
「あのさ、いい仕事あるよー。あ、未成年でも大丈夫だから」
 女子が二人並んで歩いているのを見て、スカウトかナンパか、次々と声がかかる。
 でも、不思議なことに、中野さんが彼らにちらっと視線を送ると、みんな顔色を青くし言葉を失った。そして「邪魔したね」と言って退散していく。そのうち声もかからなくなった。

 代わりに、方々からさっき広場で聞いたような女性の声……悲しみ、怒り、悲しみ……そして絶望の声が断片的に聞こえてくるようになった。
 中野 結衣は自分の耳に手を当て、つぶやいた。
「いいところね、ここは……『悲しみと憎しみの物語』が集まってくる」
「中野……さん、あなたはここによく来るの?」
「ううん、初めてよ」
「じゃあ、なんでここに来たの? なんで私をここに呼んだの?
 彼女はそれには答えず、口元にうっすらと笑みを浮かべた。

 いつの間にか、私たちが元いたエー横の広場に戻っていた。
 彼女は私と手をつないだまま私に向き直り、再び微笑みかけた。
「ねえ、お願いがあるの」
「?」
「あなたと『また』、一緒に物語りの続きを創りたい」
「さっきも同じこと言ってたけど、それってどういうこと?」
「まずは、この子たちにあなたの言葉をかけてくれるかな?」

 途端に、ブルーのフェンスの中がさっきみたいに騒がしくなった。
「彼女たちはね、あなたの声を必要としているの。同情と共感という声をね」
「わたしがそんなことをしたって……」
「大丈夫。あなたなら、彼女たちを鎮め、赦しを与えることができる……なぜなら、あなたは、スーパーヒロインなんだから」

「え!?」

 驚いた。驚いたけど、なんか腑に落ちるものもあった。ここのところ感じていたモヤモヤ感、ここに足を向けた目的。
 私の本能的な欲求、解決せねば、という義務感……きっと私はそれをなしえる『なにものか』なのではないだろうか?

 中野さんは、ブルーのフェンスの一つをずらし、二人で中に入れるすき間を作った。不思議なことに警備員が気づく様子はない。

 よし。みんなのためだ。

 一歩足を踏み入れると、フェンスの中のざわめきが一層大きくなった。

 私は彼女に手を引かれ、フェンスの中に入り込ん……

 バシッ!

 誰かが私の左手をつかんだ。
 そして、ぐいっと引っ張り、中野さんの手から引き離した。

「ダメですよ、ノア! ソイツの口車に乗ってしまっては」

 え!? なんで私の名前を知っている?
 彼女はぐいっと私を引き寄せ、隣りに立たせた。
 ブロードの白シャツに、ネイビーの紺ブレザー、それにグレンチェックのスカート、フチなしのメガネに黒髪のショートボブ。いかにも歌舞伎町に不似合いな恰好だ。

 そして、黒髪から出ている耳には、イヤーカフ! 私がしているのと同じ、銀のトンボと涙の雫。

 この子、いったい、誰?

「あらリンさん、よくここがわかったわね」
 中野さんは驚く様子もなくメガネの子に声をかけた。

「ええ、最近空気がおかしいから警戒していましたの。案の定、動き出したのね……せっかくきれいに記憶を消し去ったと思ったのに」
「ふふふ、ただ消すだけじゃ、ダメみたいね。おかげで命拾いさせてもらったけど」

 二人の会話が見えない。

「ちょっと、そこ空けくださる?」
 メガネの子はそう言うと、私を二、三歩下がらせた。そして両手にはそれぞれ……え? どこから取り出したの?……白くて立方体状のものをつかんでいる。どこかで見たことがあるなと思ったら、それはとっても大きな消しゴムだ。英語の辞書くらいの大きさはあるだろうか。それが二つ。青と白と黒の太いタテじまのケースに収められていて、それには『MOMO』とロゴが描かれている。
 彼女はそれをつかんだまま両腕をクロスさせ、低く声を発した。

「……イレイズ」

 スナップした手首から放たれた大きな消しゴムは、その一つが広場めがけて飛んでいった。それは、フェンスの中を縦横無尽、ジグザグに飛び回り、まるで文字をこするようにして、騒がしかった声を消し去っていった。
 もう一つの消しゴムは、すぐ近くに立っている中野さんを直撃……しなかった。彼女は素早く後転してそれをかわすと、「じゃあ、またね!」と微笑み、黒いボウリングのような玉を宙に放った。

 バーーーン! 

 巨大な音を発してその玉は爆発し、黒い煙をモウモウと吐き出している……この光景、見覚えがある!

 煙は、空高く上がると黒く強大な骸骨……ドクロを形作った。

「ド黒……ドブラック……」
 私の口から、勝手にそんな言葉が漏れた。
 なによ、ドブラックって!?

「戻りなさい」
 静かに叫んだのは、紺ブレにメガネの子。
 別々の方角から彼女めがけて二つの大きな消しゴムが戻ってきた。彼女は左右の手でそれらをキャッチすると、空のドクロに向けて再び放った。しかし、なににもぶつかることなくそれらは彼女の手元に戻ってきた。手慣れた手つきでそれをブレザーの中にしまうと、大きな二つの物体は存在を消した。

 なに……今の?
 私はただ口をポカンと開けて一部始終を見守っていた。
 広場の周りには警備員をはじめ何人かの通行人がいたけど、今の騒動にまったく気づいた様子はない。いったいどうなっている?

 メガネに紺ブレの子は私に向き直り、ちょっと困った顔をした。

「やれやれ、こうなったらノアにも記憶を戻すしかないですわ」
「き、記憶って……どういうこと?」
「まあ、悪く思わないでちょうだい、困っている、みんなのためですし」
「みんなのため?……中野さん?も同じようなことを言ってた」
「アイツの言うことを信じちゃダメよ。相変わらずノアはお人好しさんなんだから。アレにさんざんひっかき回されて痛い目にあったでしょう?」
 なんで私のこと以前から知っているようなことを言うのだろう?
「中野さんもそうだけど、あなたを信じていいのかわからない……初めて会ったばかりだし」
「フフフ、一緒に百戦錬磨、戦った仲じゃないの。アイツ、『ドブラック』を倒すために」
「ドブラック!?」
 さっき私が口にした言葉だ。

「それからワタクシも今日初めて知ったんですけど、アイツは、『中野 結衣』っていう人間の姿も持っていたのね」
「え?」
「ああ、このままじゃいくら話しても会話がかみ合いませんね。今、記憶を戻してさしあげますわ」
 そう言って彼女は、私の片手を握り、片手を上げてパチンと鳴らし、
「アンドゥ!」とつぶやいた。

 その瞬間。

 私はすべてを思い出す。
 夢の中にだけ閉じ込められていた、本当の私。

 目の前にいる女の子を見つめる。メガネの子は微笑んだ。
「ノア、また会えた。喜ばしい再会ではないけれど……」
 喜ばしい再会ではない? ……喜ばしいに決まっている! 
「また会えた……よかった」
 私は彼女に飛びつき、ギュッと抱く。
 涙が溢れて止まらない。

 私の名前は、一ノ瀬 望愛(ノア)。
 別の名は、
 プリズム・エトワール。

 涙をいっぱい溜めた瞳で私を見つめるこの子は、九条 凛子(リン)。
 別の名は、シャドウ・エクリプス

 私たちは、二人ぼっちの戦士 エトワとエクリ。

 これから。
 物語の続きを紡ぐのだ……彼女と一緒に。
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