期間限定カノジョはお断りです!

最悪なお願い

白石紗奈は、自分の机に突っ伏しながら大きなあくびをした。

「……眠い」

原因は昨夜見始めた恋愛ドラマだ。

“一話だけ”のつもりが気づけば深夜二時。完全に自業自得だった。

次の授業は数学。

終わった。

そう思いながら教科書を開いた瞬間、教室の空気が少しざわついた。

「え、一ノ瀬くんじゃん」

「また女子来てる」

「今日何人目?」

聞こえてきた声に、紗奈はぼんやり顔を上げる。

教室の入り口には、一ノ瀬瞬が立っていた。

黒髪、長めの前髪、眠そうな目。

適当に制服を着てるだけなのに、なぜか目立つ。

学年一モテる男子。

それが一ノ瀬瞬だった。

廊下で女子に呼び止められているのも日常茶飯事だし、告白されてるところを見たことある人も多い。

……正直、住む世界が違う。

紗奈は興味なさそうに視線を戻そうとした。
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