トップアイドルは白衣の天使に恋をする-second-
マンションへ着いて。

玄関のドアが閉まった瞬間、後ろから抱きしめられた。

「っ……!」

「充電」

肩へ顔を埋めるみたいに抱きついてくる。

大きな身体。

安心する体温。

「陽貴くん重い……」

「無理。今日離れたくない」

掠れた声。

その一言だけで、胸が熱くなる。

「……私も」

小さく返した瞬間。

抱きしめる力が少し強くなった。

「…やば」

「え?」

「可愛すぎる」

耳元で笑われる。

そのままくるりと身体を向けられて、真正面から抱き込まれた。

「紗凪」

「ん……?」

「会いたかった」

額がこつんと触れる。

近い。目を逸らせない。

「今日もよく頑張ったな」

そう言いながら、優しく頭を撫でてくれる。

その手があまりにも甘くて。

張っていた気が一気に緩んでいく。

「陽貴くん」

「ん?」

「……疲れた」

ぽろっと本音が漏れる。

すると陽貴くんの表情が少しだけ柔らかくなった。

「うん」

「いっぱい頑張った」

「だから今日は何も考えなくていい」

低く落ちる声。

次の瞬間、頬へキスが落ちる。

優しく。

何度も。

触れるたび、胸が熱くなる。

「っ、陽貴くん……」

「なに」

「恥ずかしっ……」

「俺は全然足りない」

そう言ってまた引き寄せられる。

ほんとずるい。

でもこうやって抱きしめられてる時間が、何より幸せだった。

忙しくて。

会えなくて。

寂しくなることもある。

それでもこの人の「おかえり」があるから、私はまた頑張れる。
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