トップアイドルは白衣の天使に恋をする-second-
夜ご飯を食べながら今日あったことを話して。

陽貴くんが撮影現場であった出来事を聞いて。

私がICUでみんなに囲まれた話をして。

そんな風に笑い合う時間が、たまらなく幸せだった。

食器を一緒に片付けて。

ソファでくっつきながらテレビを見て。

気づけば、私は陽貴くんへ自然に寄りかかっていた。

陽貴くんも、それが当たり前みたいに肩を抱く。

離れていた半年を埋めるみたいに。

少しでも近くにいたかった。

そして。

夜。

ベッドへ入る。

部屋の灯りはもう落としていて。

薄暗い空間の中、私は陽貴くんの腕の中へ収まった。

「……あったかい」

思わず呟くと。

陽貴くんが小さく笑う。

「甘えんぼ紗凪ちゃんだ」

「……だって久しぶりだもん」

自分でも驚くくらい、素直に言葉が出る。

すると。

陽貴くんが少しだけ目を丸くした。

「……今のやばい」 

「なにが?」

「破壊力」

私は恥ずかしくなって、胸元へ顔を埋める。

すると陽貴くんが、くすっと笑いながら髪へキスを落とした。

「今日はちゃんと寝かせてあげようかな」

その言葉に。

私はぴくっと反応する。

……朝の会話、忘れてない。

私は恐る恐る顔を上げた。

「……ほんとに?」

すると。

陽貴くんが、とても綺麗に微笑む。

「あ、でも」

その時点で察した。

絶対だめなやつだ。

「朝、“今日帰ってきたら覚悟してね”って言ったよね?」

「……っ」

逃げようとした瞬間。

腰を引き寄せられる。

そして首元にキスを落とされる。

「ひゃ……」

陽貴くんが、楽しそうに笑う。

「有言実行しないとね」

「う、うそつき……」

「どこが?」

「寝かせてくれるって……」

「“ちゃんと寝かせてあげようかな”だから」

「かな、がついてた」

ずるい。

この人ほんとずるい。

私は完全に言葉を失う。

そんな私を見て。

陽貴くんが、優しく頬へ触れた。

「……でも安心して」

低い声。

「今日は昨日よりも甘やかすから」

その言葉通り。

その夜も。

私は結局、陽貴くんにたくさん甘やかされて。

たくさん愛されて。

訳もなく。

朝の宣言通り。

今夜も、簡単には眠らせてもらえなかった。
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