トップアイドルは白衣の天使に恋をする-second-
すると50代くらいの男性が穏やかに笑った。

「初めまして」

「大阪中央医療センター救命救急センター長の高城です」

「今回、ぜひ一ノ瀬さんに来ていただきたくて伺いました」

「は、初めまして」

慌てて頭を下げる。

すると隣の若い男性も軽く会釈した。

「同じく救命の看護師、森崎です」

低めの落ち着いた声。

「今回、現場教育を一緒に担当する予定です」

関西弁の彼はそう言って、ふっと笑う。

その笑顔は柔らかい。

でも。どこか視線が鋭い。

“できる人”特有の空気を感じる。

「一ノ瀬さんの症例報告やフライト実績、かなり拝見してます」

高城先生が続ける。

「正直、ぜひ来てほしかったので嬉しいです」

真っ直ぐ言われて、一瞬言葉に詰まる。

そんな風に言われると思ってなかった。

「……ありがとうございます」

なんとかそう返すと。

森崎さんが目を細める。

「急変対応もさすがでしたね」

その言葉に、少しだけ照れくさくなる。

すると師長さんが笑った。

「一ノ瀬、現場だとほんと頼れるんですよ」

「いや、そんな……」

「大阪でも期待してますよ」

高城先生が穏やかに言う。

その言葉に、改めて実感する。

——本当に、行くんだ。

大阪へ。

新しい環境へ。

まだ不安はある。

でも。

少しずつ、その現実が近づいてきていた。
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