トップアイドルは白衣の天使に恋をする-second-
——そんなある日の日勤帯。

「SpO2下がってます!」

モニターアラーム。

急変対応。

気づけば30分以上走り回っていた。

医師指示。

挿管介助。

薬剤準備。

家族対応。

慌ただしく動き続けて。

ようやく患者さんの状態が落ち着いた頃には、全身にじわっと汗が滲んでいた。

「……ふぅ」

小さく息を吐く。

PHSをポケットへ戻した瞬間。

「一ノ瀬」

呼ばれて顔を上げる。

師長さんだった。

「はい」

「ちょっといい?」

その声に頷いて近づく。

すると師長さんの隣に、見たことのない男性が2人立っていた。

1人は50代くらい。

落ち着いた雰囲気で、スーツ姿。

いかにも“偉い人”って感じ。

そしてもう1人は——

私より少し年齢が上だと思われる男の人。

高身長。

短髪で整った顔立ち。

フォーマルな格好。

でも、2人に見覚えはない。

「こちら」

師長さんが口を開く。

「大阪中央医療センターの救命チームの先生と看護師さん」

その瞬間。

私は思わず姿勢を正した。

「今回の育成支援プロジェクトの件で、挨拶に来てくださったの」

聞いてない。

完全に聞いてない。

一気に緊張する。
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