月下ノ姫
伊織「昨日から何も食ってないだろ」

図星だった

海未が少し黙る

流生がニヤニヤし始めた

流生「伊織ってほんっと姫に甘いよな〜」

伊織「黙れ」

即答

だが伊織は、 海未から視線を逸らさない

伊織「食え」

その声だけは、 どこか柔らかかった

海未は少しだけ目を細める

……こういう所、 苦手だ

優しくされると、 どう反応していいか分からない

海未は小さくため息を吐き、 袋を受け取った

海未「……ありがと」

その瞬間

伊織の目が、 僅かに緩む

ほんの一瞬

本当に、 海未にしか見せない顔だった

だが

女子生徒1「ねぇ」

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