月下ノ姫
12章 愛を知らない姫
 海未「……伊織」

震える声

海未は、 伊織の肩へ触れる

指先に、 温かい血が付いた

その瞬間

昔の記憶が蘇る



痛み

泣き声

“お前なんか邪魔なんだよ”

海未の呼吸が乱れる

伊織「……海未」

海未「ごめん……」

小さな声だった

海未「私のせいで……」

伊織は目を見開く

そんな風に、 自分を責めると思わなかった

伊織「違う」

海未「だって……!」

伊織「お前のせいじゃない」

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