月下ノ姫
海未は俯く

怖かった

伊織が傷付いたこと

自分のせいで、 大切な人が壊れていくこと

それが何より怖かった

夜叉総長は、 そんな海未を黙って見ていた

昨日までの、 冷たい“白月”じゃない

今の海未は、 ただの17歳の少女みたいだった

夜叉総長「……帰るぞ」

夜叉メンバー「え?」

夜叉総長「今日は終わり」

流生「は?」

伊吹も眉を寄せる

だが夜叉総長は、 海未から視線を逸らさない

夜叉総長「今のお前とやっても面白くねぇ」

海未「……」

夜叉総長「そんな泣きそうな顔すんな」

その言葉に、 海未の肩が揺れる

泣きそう

そんな顔、 していたんだ

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