月下ノ姫
その時

伊織「海未」

海未が振り返る

伊織は缶コーヒーを持って立っていた

伊織「温かいの」

海未「……ありがと」

缶を受け取る

ほんの少しだけ、 指先が触れた

伊織「……泣いた顔、初めて見た」

海未「見ないでほしかった」

伊織「無理」

海未は少しだけ困った顔をする

すると伊織が、 海未の隣へ座った

静かな時間

不思議と、 苦しくない

海未「……伊織」

伊織「ん」

海未「好きって、まだよく分かんない」

伊織「知ってる」

海未「でも」

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