好きになった人は、みんなのアイドルで 3

18話 隣

ーー悠太郎サイド

「まだ起きてる?」
「起きてたら電話したい」

今日も一日練習してくたくた。
でも、紬ちゃんの声聞けたら元気になれる。
起きてるといいな。

……寝てるかも。既読つかない。

ちぇっ、と呟いて風呂に向かう。

ーー
風呂から帰ってくると、紬ちゃんから電話が来ていた。

……俺のバカ。タイミング悪すぎ。

電話をかける。
……しばらくコール音が鳴って、
「もしもし」と眠そうな声がした。

「ごめん、寝てた?」

「ううん、寝ようかなと思ってたとこ」
嘘だ、絶対寝てた。

「紬ちゃんも疲れてるよね、ごめん」

「悠太郎くんの声聞けて、嬉しい」

「教習所、大変?」

「うん、めっちゃ大変」
「私、運転のセンス無いかも」

「いや、免許取ろうとするだけですごい」
「俺、全然頭に無かった」

「まあ私の地元、田舎だからね〜」
「大人になったら免許取るもんだと思ってたから」

小さく欠伸の声が聞こえる。
……眠そう。疲れてるよね。
でもごめん、もう少しだけ。

「免許取ったら、乗せてね」

「うん、海行こ」

「え?海?」

「うん、海」
「一緒に行こ」
「一緒に、色んなとこ行こ」

紬ちゃんの隣は、ずっと俺だといい。

「うん、色んなとこ行こ」
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