好きになった人は、みんなのアイドルで 3

17話 卵焼き

「俺と教習所で毎日会ってるじゃん」
「こないだ、帰りも一緒になったし」

こないだ、たまたまバスじゃなくて電車で帰ろうとしたら
海斗くんも同じ路線だった。
……確かに。でも……全然意識してなかった。

「うーん、ごめん。意識してない」

「……なんでやねんっ!」
大袈裟にコケてみせる海斗くん。

思わず笑うと、
「もっと真面目に考えてよ〜」
「何したら俺のこと気になってくれるかな〜」
ってうなだれる。

「ごめん、分かんないや」

「彼氏いる子には、俺の気持ちなんて分かんないよね」
分かりやすく拗ねる海斗くん。

「えーごめん」

「ほんとに悪いと思ってるならさ、この卵焼きちょうだい」
お弁当の卵焼きを指さされる。

「え、いいよ」
お弁当箱を差し出すと、ひょいっと口に入れた海斗くんが目を見開く。

「なにこれ、うっま」

「嬉しい。ありがと」

「……これいつでも食べれる彼氏、羨ましいな」
海斗くんがぼそっと呟いた。
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