好きになった人は、みんなのアイドルで 3

52話 ごめん

ーー悠太郎サイド

「……悠太郎くん」

1番会いたくて、1番会えなかった人が、目の前にいる。
「……紬ちゃん、ごめん」

「謝ることないよ、なんにも」
紬ちゃんが、そっと抱き締めてくれる。

こんな俺でも、紬ちゃんを抱き締めていいのかな。
そっと背中に手を回すと、紬ちゃんの腕に力がこもる。
「……ごめん」

「大好きだよ、悠太郎くん」
「悠太郎くんが、アイドルでも、アイドルじゃなくても」
「アイドルを目指してても、例え気持ちが変わっちゃっても」
「変わらず大好きだよ」

……もう、俺には何も無いのに。
夢も何もかも、分からなくなってたのに。
そんな俺でも、受け止めてくれるの?

紬ちゃんの肩に顔を埋める。
「ごめん、ほんとにごめん……」

「ごめん」しか、言える言葉が無かった。

言えなくてごめん。
寂しくさせてごめん。
それなのに、デビューできなくてごめん。

ごめん。紬ちゃん、ごめん。
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