好きになった人は、みんなのアイドルで 3

70話 負け

恥ずかしすぎる。無理。
次に来たレゲパンも一気に飲み干してしまう。

「紬、飲みすぎ。潰れるよ」

「無理、恥ずかしい。飲まないと無理」

火照った顔は、お酒のせい。
体が熱いのも、お酒のせい。

「カシオレ1つ!」

「お冷ください、人数分」
帰ってきた悠太郎くんが店員さんに言う。

「……酔ってないもん」

「紬、ほんとに酔ってない?」
顔を覗き込んでくる。

……ずるい。ずるいずるいずるい。

「……うん、酔ってない」

好きすぎて、何も言えない。

「ねえ、もっかい悠太郎って呼んで」

悠太郎くんが、意地悪すぎる。
店員さんが持ってきてくれたカシオレをグイッと飲む。

「……悠太郎、大好き」

「……ごめん、俺の負けだわ」
口元を押さえて悠太郎くんが言う。

何の勝負してたの。

呼び鈴を押す。

「注文お伺いしまーす」
「カルーアミルク1つ」

もう、今日は飲んでやる。
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