好きになった人は、みんなのアイドルで 3

71話 反則

「トイレ行く」
……飲みすぎた。ちょっと気持ち悪い。

立ち上がると足元が少しおぼつかない。

「紬、飲みすぎだよ」
悠太郎くんが体を支えてくれる。

「帰れなくなっても、今日は悠太郎くん一緒だもん」
大丈夫、と一人でトイレに行く。

ーー
悠太郎くんがいる安心感と、呼び捨てのドキドキで飲みすぎた。
……良くない。私らしくない。
でも、いつもより素直になれる気もした。

「紬、大丈夫?」
トイレを出ると、悠太郎くんがいた。

思わず抱きつく。

「紬、ここ居酒屋だから」
「……え、具合悪い?立てない?」

慌てて悠太郎くんが顔を覗き込んでくるからキスをする。

「……悠太郎、大好き」

「……ねえ、紬ちゃん。それは反則」

「誰も見てないよ」
「戻ろ、皆待ってる」

お酒の力、いくらでも借りてやる。
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