好きになった人は、みんなのアイドルで 3

87話 また

ーー悠太郎サイド

「また電気つけっぱなし!」

「んー、姉ちゃんおはよ……もう朝?」

「ちょっと休みなよ」

「いや……今頑張らないと」

次にいつチャンスが来るか分からない。
その時までに、もっと。

「ちゃんと紬ちゃんに連絡してんの?」

姉ちゃんに言われて、ハッとしてスマホを見る。
通話が切れた後、「おやすみ」とLINEが来ていた。

「……寝落ちした」

「そんなんじゃ捨てられるよ」

ひどい捨て台詞を残して姉ちゃんが部屋を出て行く。

「ごめん、寝落ちした」
と紬に返して考える。

……焦っている自覚はある。
でも、何かをしていないと落ち着かない。

もっと、ダンスもボーカルも磨かないと。
……また。

また、アイドルの夢が、この手から零れ落ちてしまうかもしれないと思った。
< 87 / 100 >

この作品をシェア

pagetop