好きになった人は、みんなのアイドルで 3

88話 1杯だけ

……LINEも一日二通くればいい方。
電話は、だいたい寝落ち。

もう、どうしたらいいんだろう。
悠太郎くんの支えになりたいのに、なれない。

電車を待つ時間、スマホを眺めてため息をついていた。

「あ、紬ちゃんだ」

聞きなれた声がして顔を上げる。
「え!海斗くん!」

「久しぶり。意外と会わなかったね」

「そうだねえ、久しぶり」

「……飯はダメでも、コーヒー1杯ぐらい彼氏許してくれませんか!」

少し話したいと思った。
「いいよ、コーヒー1杯ね」

「よっしゃ、奢る」
「ブラックでいいのー?」

「じゃあ、カフェラテ」

海斗くんがカップをふたつ持って走ってくる。
「はい、紬ちゃん」

「ありがと」

ベンチに座って話す。

「俺、海行ったよ」

「ほんとー?」
「私、まだ全然運転してない」

「彼氏、まだ韓国にいるの?」

「……帰ってきた」

「お、じゃあ会えてるの?」

「こないだ会った」
悠太郎くん、無理しすぎだよ。心配だよ。
会いたいよ。

「……どした?」

明るく答えたはずだったのに、心配そうに顔を覗き込まれる。

「やっぱり、俺にしとく?」

「大丈夫、間に合ってます」
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