好きになった人は、みんなのアイドルで 3

94話 頼って

「紬、なんかご機嫌?」
「最近ちょっと元気無かったのに」
栞に聞かれる。

「来週、悠太郎くんに会いに行くことにした」

「それはご機嫌になるね」

「昨日さ、前に話した教習所で知り合った東都大の子と久々に会ってさ」
「海斗くんって言うんだけど」
「悠太郎くんの話して泣いちゃった」

「どういうこと?」

「海斗くん、なんでも聞いてくれるの」
「悠太郎くんのこと、知らないから、逆に話しやすくて」

「それ、やっぱり紬のこと好きなんじゃ……」

「……ずるいよね、私」
「海斗くんの優しさ、利用したかな」

「……分かんないけど」

「いつもふざけてるから、本心見えないんだよね」
「ほんとは私のこと、好きだったのかなあ」

ずっと、良き男友達だと思ってたけど、
もしそうなら、私、ひどいことを。

「いいんじゃない?そっちは友達でも、紬と一緒にいたいかもしれないし」
「残酷だけどさ、告白とかしてこない限りは」

「うん……」

俺のことも頼って、って言われたのが、嬉しかった。
< 94 / 100 >

この作品をシェア

pagetop