初夜で狸寝入りする妻は異世界の記憶があるらしい
考えられるのは、夫婦の営みへの拒否、もしくは未知なる体験への恐怖ゆえの行動か。
けれども、拒まれる理由がわからない。これまでのことを振り返るが、嫌われるようなことをした覚えはない。むしろ、好意は持たれていたはずだ。
エリアナとは政略結婚だったが、婚約中も穏やかな関係を築けていたと思う。仕事に忙殺されて会う頻度は少なかったかもしれないが、手紙で近況を報告し、贈り物をし合うほどには仲は悪くなかった。
(……ドレスも一緒に選んだし、嫌われてはいないはずだが、彼女の意図がわからない。これは、どう反応するのが正解なんだ?)
ネグリジェを着たエリアナは仰向けのまま、鼻水をすすった。
「…………」
「……」
「……、…………」
夫婦の寝室は、最小限の灯りのみで、甘い香が焚かれている。
使用人が初夜のために部屋に飾った花を一瞥し、ベルトランは嘆息した。友人に「いいかよく聞け、初夜の失敗は修復不可能な夫婦の亀裂を生む」と散々脅されたものの、正直そこまでの心配はしていない。
エリアナはおとなしい性格だが、言うべきことは目を見てしっかり言う度胸もある。
けれども、拒まれる理由がわからない。これまでのことを振り返るが、嫌われるようなことをした覚えはない。むしろ、好意は持たれていたはずだ。
エリアナとは政略結婚だったが、婚約中も穏やかな関係を築けていたと思う。仕事に忙殺されて会う頻度は少なかったかもしれないが、手紙で近況を報告し、贈り物をし合うほどには仲は悪くなかった。
(……ドレスも一緒に選んだし、嫌われてはいないはずだが、彼女の意図がわからない。これは、どう反応するのが正解なんだ?)
ネグリジェを着たエリアナは仰向けのまま、鼻水をすすった。
「…………」
「……」
「……、…………」
夫婦の寝室は、最小限の灯りのみで、甘い香が焚かれている。
使用人が初夜のために部屋に飾った花を一瞥し、ベルトランは嘆息した。友人に「いいかよく聞け、初夜の失敗は修復不可能な夫婦の亀裂を生む」と散々脅されたものの、正直そこまでの心配はしていない。
エリアナはおとなしい性格だが、言うべきことは目を見てしっかり言う度胸もある。