ひとりが嫌で、今日も笑う。
伊織が、ふわっと近づいてきた。
伊「ねぇ、透羽ちゃん。僕たちのこと、怖くないの?」
見た目通り声も柔らかくて、まるで猫みたい。
「怖いよ?」
伊「ふふ。じゃあ、なんで笑ってるの?」
私は答えられなくて、笑いを強くした。
「んー、癖、かなぁ」
伊織は軽く首を傾けた。
伊「そっかぁ。癖って、こわいね」
その言い方が、優しいのに刺さった。
氷みたいに冷たい雰囲気の叶兎が、私を見ていた。
叶「……」
言葉はない。
でも視線が鋭い。
「……えーっと、こんにちは?」
叶兎はゆっくり口を開いた。
叶「……名前」
「え?」
叶「……なに。……呼ぶ」