ひとりが嫌で、今日も笑う。

言い当てられて、胸が詰まった。

私は笑ってごまかした。

「さぁ、どうかなぁ」


航斗が鼻で笑う。

航「嘘つき」


私はその言葉に、ほんの少しだけ傷ついた。

でも笑った。


「あらら、ばれた?」

航「ばれてんだよ」


その声は乱暴なのに、どこか優しかった。

それが怖い。


優しさに触れたら、依存してしまう。

依存したら、失った時に壊れる。


だから私は一歩下がって、笑顔を貼り付けた。

「じゃあね。授業遅れちゃうし」


私は逃げるように階段を降りた。

階段の途中で、ふと足が止まる。

胸の奥が、熱い。


……だめだ。

あの人たちに近づいたら、また失う。

また、ひとりになる。
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