ひとりが嫌で、今日も笑う。
第2話
屋上に行くのはもう、やめよう。
そう思っていた。
昨日も、今日も。
何度も。
なのに昼休みになると、無意識に階段を上ってしまう。
屋上へ向かう足が、私の意思とは別に進んでいく。
「近づくな」
「踏み込むな」
「失うぞ」
頭の中で何度も警告しているのに。
扉の前で立ち止まって、深呼吸した。
……今日は、少しだけ。
自分に言い訳をして、扉を押す。
風が吹き込んできて、髪が揺れた。
そしてそこには、もう黒月の五人が揃っていた。
航斗はフェンスにもたれ、腕を組んでいる。
迅はパソコンを高速で叩きながら、何かを考えている顔。
伊織は眠いのか、しゃがみ込んで猫みたいに欠伸をしている。
斑は苛立っているのか、ウロウロしていた。
叶兎は膝を抱えて座っていて、無言で空を見ていた。
まるで、ここが彼らの居場所みたいだった。
私の胸が少しだけ痛む。